夏になるとよく耳にする「プール熱」。
保育園や幼稚園、小学校に通う小さなお子さんがいるご家庭では、特に気になる病気です。
プール熱という名前だけあって、感染場所はプールだけなのでしょうか?
プール熱の原因や症状、そして治療方法などかかったときの対策をまとめました。
プール熱になる原因は?
プール熱は、7月~9月にかけて多くなる夏風邪の一種です。
正式名称は「咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)」といい、原因はアデノウイルスです。
プールの時期に流行ることからプール熱の名前で呼ばれていますが、プール以外の場所で感染することがあり、冬に流行することもあります。
主な感染経路は、唾液などの飛沫感染と、近くにいることでうつる接触感染があります。
アデノウイルスは感染力が非常に強く、同じタオルを使用してうつるというケースもあります。
感染してから発症するまでの潜伏期間は5~7日ほどで、1歳ごろからかかりやすくなります。
患者の約80%は5歳以下の幼児が占めていますが、大人でも感染することがあるので、お子さんを看病される場合などは十分気をつけましょう。
プール熱の症状は?
プール熱にかかると5~7日の潜伏期を経て、突然38~40℃の高熱が出て、5日前後続きます。
まれに熱性けいれんを起こすこともあるので注意が必要ですが、治ると熱がスーッと下がることがほとんどです。
このほかにのどの腫れや痛み、関節痛、頭痛、腹痛、下痢、嘔吐、白目の充血、目ヤニなどの症状も見られます。
プール熱は学校感染症に指定されており、主な症状が消えてから2日をすぎるまでは登園・登校はできません。
プール熱の治療方法は?
プール熱の原因となるアデノウイルスには特効薬がありません。このため、治療は対症療法になります。
特異的な治療をしなくても自然に治ることがほとんどですが、気をつけたいのが脱水症状です。
高熱やのどの痛みのために水分不足になりやすいので、水分補給をしっかり行う必要があります。
のどごしがよく冷たい飲み物(スポーツドリンクなど)を用意してあげましょう。
そして熱が続いている間は安静にし、十分に睡眠を取って免疫力が落ちないようにしましょう。
プール熱の感染予防策は?
感染力が強く、上の子が感染すると赤ちゃんにもうつることのあるアデノウイルス。
感染を広げないためには、患者との接触を避けることが大切です。
同じタオルやシーツ、洗面器を使うことは避け、洗濯も別にしましょう。
また、症状が消えた後も2週間ほどは便や唾液にウイルスが含まれているので、オムツの取り替えの後には石けんで手洗いを徹底しましょう。
さいごに
かかってしまうと、自然に治るまで待つしかないプール熱。
規則正しい生活や手洗い・うがいの徹底などで予防することが大切です。
夏は暑さで食欲がなくなったり、生活習慣が乱れやすいので、普段から免疫力を上げるように心掛けたいですね。